ロバート・クレイ/ストロング・パースウェイダー2006/06/29 22:59

robert cray
ブルースマンといえば、
お下劣、脂ギッシュ、こぎたない、
3拍子そろった非社会的な人を想像するでしょう。
(?、ある意味あたってる。いわゆる音楽とは無縁の人たちから見ての話)
ここに紹介するロバート・クレイ君は、そんなブルースマンとはかけ離れた、清く正しいブルースマンなのです。
爽やか、親切、優しそう の3拍子そろった感じ。
まずはそのファッション。
ジャケットにもあるようにジャケットをおしゃれに着こなしています。(しゃれにもなんねー)
インナーのタートルネックがちょっと時代がかってますが綺麗に嫌み無くまとめてます。
(こぎたないブルースマンだって、だいたいはスーツだぞ)
髪の毛もしっかりブラシして(黒人はだいたいこういう頭じゃ)、
なによりも、笑顔がさわやか。白い歯って良いな〜♫
どうだ!こんなさわやかなブルースマンはいねーだろ!
(たしかに、まいった。)
音はというと、ここでも正しさを発揮してます。
はっきりとした、滑舌のいい発音。アナウンサーかと思っちゃいます。
スポルトの司会やってほしいぐらいです。(ウッチーやめちゃったし)
ギターの音…。正しい正しいストラトキャスターの音、アンプもツインリバーブでしょうか、
フェンダーの音はこういう音っていう音。
そして全体にわたって漂う空気…BLUESなんです。?
そんなブルースあんの?
いや、これはどう聴いてもBLUES。
確かに聴きやすくて、耳障りは良いのですが、けっして白くない。メジャーコードの音じゃない。
どこか横揺れがする、バーボンが呑みたくなるよーな音!(また始まった…)
プレイは1音1音キッチリ決めていくオーソドックスタイプ。
ディストーションかかってないのでサスティンはなく、
ノーマル特有のピッキングがピキピキしてこれがまた気持ちいい。
曲がまたBLUESとはいえちょっとPOPでさらっとしています。でもネッチリ。(どっちなんだよ)
とかく攻撃的で荒々しいのがカッコいいと思われがちなブルース界ですが、
どちらかというとディフェンシブな感じ。イタリアのカテナチオを彷彿とさせる…
過去の先人達の遺産を十分に吸収、消化し、新しいブルースの可能性を引き出した、
そう、ブルースの守備範囲を広げた功労者ですね。
何度か生で演奏聴きましたが、毎回いい。
常にレヴェルの高い、テンションの高い演奏をしてくれます。
地味なプレイなのですが、その存在感がギンギンに引き立つのが、セッションの時。
特にクラプトンバンドのゲストできた時は、完全にクラプトンが喰われてしまいました。
1音1音の存在感が凄いんです。
あのかわいいベビーフェイスからは想像できない強烈な音を出してくるんです。
はっきり言って、この人と一緒だと最初は楽しいけどそのうち粉々に打ち砕かれてそのうちいやになるのではと思います。
こういう人がサマーフェスに来てくれると最高に盛り上がるのに…。
もちろん最後はセッション大会でロバート・クレイ君の1人勝ちーーーーーー。
最近はトンとご無沙汰ですが、大ヒット「Smoking Gun」を含む、新世代モダンブルースの名作。
夜のドライヴのバックグランドミュージックに…

Robert Cray/Strong Persuader 1986 PolyGram Records 830 568-2 M-1
1 .Smoking Gun
2 .I Guess I Showed Her
3 .Right Next Door(Because Of Me)
4 .Nothin' But A Woman
5 .Still Around
6 .More Than I Can Stand
7 .Foul Play
8 .I Wonder
9 .Fantasized  白日夢
10. New Blood