尺八家・作曲家コラボレーション〜古典と現代の衝突と邂逅〜vol.3東京公演2025.12.17.wed.16:00start. 日暮里サニーホール ― 2025/12/17 18:22
尺八家・作曲家コラボレーション〜古典と現代の衝突と邂逅〜vol.3東京公演2025.12.17.wed.16:00start. 日暮里サニーホール
第一部行ってきました
古典曲と現代曲を対比させての演奏
演奏はすべて尺八🪈のみ
3ブロック目だけは二人での共演ですが
他はすべて尺八独奏
すごいダイナミクス
しずかーな唇の震えや
息遣いが微かに聞こえぐらいから
まるでサックスの如く轟く爆音
古典の持っている
日本人特有の刹那音階
そしてかたや
前衛絵画の如く今を表現する作家達の
先進的な作品
またそれを見事に表現する
田嶋直士さん、田嶋謙一さん
若さとパワーの田嶋謙一さん
艶やかな色気も感じさせる美しい透明感ある音色
59'レスポールヒストリッ、ハムバッキングPU
新鮮な寒ぶりの刺身って感じかな
かたや
ベテラン田嶋直士さん
枯山水の如く味わいのある音色
68'レスポールリイシュー、シングルコイルPU
鱈の乾物ですね 噛めば噛むほど・・・・
二人の織りなす
日本の伝統と現在
素晴らしいですね
また二人の袴姿がまたカッコいいんですよね
川崎真由子さんの
♪あかく、鳴きあう鳥たち
まるでエリック・ドルフィンー
幾何学的リフレインが微妙に変化
本物の鳥🕊️の声?
木下正道さんの
♪炎は炎に身を委ねる II
時折西洋風クラシカルなフレーズが
色彩を豊かにしている感じ
炎🔥のゆらめき
川上統さんは新作の初演
2頭の鹿🦌(雄雌)の戯れを
二人の演奏で再現
まるで格闘技の差し手争い
ボクシングのジャブの応酬
すごい迫力
古典の持つ力強さと
現代への融合、発展を感じる
素晴らしい演奏会でした
第一部プログラム
鶴の巣籠(古典曲)
演奏:田嶋謙一
あかく、鳴きあう鳥たち(川崎真由子 作)
演奏:田嶋直士
山越(古典曲)
演奏:田嶋直士
炎は炎に身を委ねる II (木下正道 作)
演奏:田嶋謙一
鹿の遠音(古典曲)
演奏:田嶋直士、田嶋謙一
新作初演(川上統 作)
演奏:田嶋直士、田嶋謙一
出演・演奏(尺八) : 田嶋直士、田嶋謙一
2023年、2024年と開催してきた、尺八家の田嶋直士さん、田嶋謙一さんとの協同企画「尺八家・作曲家 コラボレーション 〜古典と現代の衝突と邂逅〜」、2025年はさらなる発展を目指し、大阪と東京でそれぞれ昼夜二公演を開催いたします。そして新たに近年活躍めざましい三人の作曲家、若林千春、川上統、我妻英の各氏に新曲を、古典本曲と対峙する現在の音楽として、依頼しました。これまでの演奏会で初演された旧作も取り上げます。出自や現在の嗜好がそれぞれ異なる六人の作曲家の作品が、古典の世界とどう「衝突し邂逅する」のか、ぜひ今生まれる現場の音たちの力を、存分に浴びて、感じていただければと思います。
◎チラシとは曲目が変更されています。
演奏家・作曲家プロフィール
田嶋直士(たじま ただし)
日本を代表する国際的尺八演奏家。直流を創設し宗家となる。東京・大阪に教授所。年2回東京・大阪での本格的リサイタル(通算76回)の他、各地でリサイタル・コンサート活動。400 ヵ所を超す尺八本曲全国行脚演奏。海外 25 カ国で公演。ザルツブルグ国際音楽祭の他、世界の音楽祭より数々招待を受ける。1990年、2007年、2018年文化庁芸術祭賞受賞。
パンムジークフェスティバル邦楽演奏コンクール1位・大賞・ドイツ大使賞受賞。レミー・マルタン賞・音楽之友社賞(日本音楽集団の一員として)受賞。バッハ国際音楽祭にて細川俊夫作曲“Voyage X”(尺八協奏曲)初演、絶賛される。大阪府民劇場奨励賞受賞。「尺八入門教則本」及び「一音に心をこめて」出版。国内外で多数のLP・CD 出版、数々のジャンルの演奏家と共演、一般に抱かれている先入観を大きくくつがえし、尺八の持つ表現力の大きさ、対応の多様性を示し、いずれの場合においても成功させ高い評価を得ている。
田嶋謙一(たじま けんいち)
12歳より尺八を始め、父である田嶋直士に師事。2006年、東京藝術大学邦楽科尺八専攻卒業。2009年~2012年、東京藝術大学邦楽科助手。2014年、自身初のリサイタルで第69回文化庁芸術祭新人賞受賞。日本各地及び海外で古典を中心とした数々の演奏を行う。その他にクラシック、ジャズ、ポップス等様々なジャンルの音楽とコラボレート、東京藝術大学や立正大学などの教育機関や各種イベントでの尺八に関する特別講義、コンサート企画・プロデュース、音楽劇の脚本・演出・音楽監督など、多方面にわたり活動している。「ゆる人」総監。「田嶋謙一記念歌劇団」団長。「日本尺八演奏家ネットワーク(JSPN)」理事。「和楽器
オーケストラあいおい」会員。「The Shakuhachi5」メンバー。「日本三曲協会」「鎌倉三曲協会」「逗子三曲協会」会員。
川崎真由子(かわさきまゆこ)
横浜生まれ。国立音楽大学、同大学院修士課程作曲専攻修了。第 18回奏楽堂日本歌曲コンクール作曲部門、第30回現音作曲新人賞など受賞。Music From Japan 2024音楽祭(US)招聘作曲家。近年の作品は詩人との共同制作や動物をテーマとしたものが多く、また和声や対位法などの音楽理論書製作にも携わる。相愛大学専任講師及び、洗足学園音楽大学、同大学院非常勤講師。
https://mayukokawasaki.jimdofree.com/
木下正道(きのした まさみち)
1969 年福井県大野市生まれ。吹奏楽とハードロックの経験の後、東京学芸大学で音楽を学ぶ。フリージャズや集団即興、お笑いバンド活動なども行った。武満徹作曲賞、文化庁舞台芸術創作奨励賞、日本現代音楽協会新人賞、などに入選。現在は、様々な団体や個人からの委嘱や共同企画による作曲、優れた演奏家の協力のもとでの先鋭的な演奏会の企画、通常とは異なる方法で使用する電気機器による即興演奏、の三つの柱で活動を展開する。作曲においては、厳密に管理された時間構造の中で、圧迫されるような沈黙の中に奏者の微細な身体性が滲み出すような空間を作ることを目指す。演奏会企画においては、演奏家との周密な打ち合せのもと、先鋭かつ豊かな音楽の様相を感じ取れるような音楽会を開催する。また電気機器即興は、池田拓実や多井智紀と「電力音楽」を名乗り、その他様々な演者とも交流し、瞬間の音響の移ろいを聴き出すことに集中する。ここ数年は主に室内楽曲を中心として年間
20曲程度を作曲、初演。童話制作も手がけ、自ら朗読、上演する。またFtartiレーベルを中心に多くの作品、演奏がリリースされている。
川上統(かわかみ おさむ)
1979年生まれ。東京音楽大学作曲専攻及び同大学院修了。作曲を湯浅譲二、池辺晋一郎、細川俊夫、久田典子、山本裕之の各氏に師事。2003年、第20回現音新人作曲賞受質。2009、2012、2015年に武生国際音楽祭招待作曲家として参加。2018年秋吉台の夏現代音楽セミナーにて作曲講師を務める。作曲作品は200曲以上にのぼる。現在、エリザベト音楽大学准教授、国立音楽大学非常勤講師。
<第1部>
鶴の巣籠
尺八曲を代表する名曲。鶴の鳴き声、羽ばたく姿、大空を舞う情景など「コロコロ」「玉音」などの多彩な技法を用い描写している。命を犠牲にしてでも子供を守ろうとする親鶴の強い情愛を表し、超絶技巧の難曲と言われている。
川崎 真由子:あかく、鳴き合うたち(2023)
あまりに完成された、そして古典でありながら新しささえ感じる本曲「鶴の巣籠」に対峙する新曲を書くにはどうすればよいか。素晴らしい曲ですが、ただ一点、この曲が表現する物語の、親鳥が"自身を犠牲にして雛を育てるというのが、鳥好きの作曲者には辛すぎる。全鳥に幸せであってほしい。そこで、物語性を一切排除した作品を作ることにしました。鶴の巣の「ツル」はおそらくタンチョウのことですが、世界には他にも様々な種類のツルが生息しています。オオル、カナダル、カンムリヅル、ホオカザリジル等。それらの鳴き声を調べ聴いて採譜し、その素材を反復・挿入・断絶することで曲は構成されます。反復・挿入・断絶は、近年、私が現代詩から影響を受けて作曲に取り入れている手法です。タイトルの「あかく」は、種々のツルに共通する身体の一部の赤色や、ツル特有の「鳴き合い」(生解消されることのないつがいが、交互に鳴くことで絆を深める行為)の情熱のイメージ。
山越
大きな困難、場合によって不可能と思える困難に直面した際に、自力により乗り越えようとの願いを込め「壮烈に」吹奏する。
木下正道:炎は炎に身を委ねる II 尺八独奏のための
タイトルは、エジプト生まれでフランス語で書くユダヤ系詩人のエドモン・ジャベスの詩旬によります。割と短めの独奏曲のシリーズとして、まず「I」はフルートのために書きました。今回の尺八独奏のための「II」は、企画の趣旨として尺八本曲「山越」から触発されたものを書くため、まずは「山越」を採譜し、それからヨーロッパ音楽的な意味での分析と要素の抽出を行って再構成しようとしましたが、それはやや無理な相談でした。そのような原理では、日本の伝統的な音楽は作られていないのです。そこで、採譜した上から、いわば「対旋律」をつくるようなつもりで、本曲の「裏側の声」を自分なりに聴き取ることに専心しました。どことなく「山越」を彷彿とさせる音型はあるものの、基本的には静かに曲は進んで行きます。しかし少しずつ激情が芽生え始め、大きなうねりを描いた後、時間と空間は沈黙に、無の帷の奥へ向かって消尽して行きます。
鹿の遠音
尺八曲を代表する曲の一つ。晩秋の候、深山で鳴き交わす雌雄の鹿の様を二の尺八で描写している。独奏形態の本曲の中で連は例外的存在である。
川上統:Antelope Envelope -包絡線ー(2025・新作初演)
鹿の遠音からのインスピレーションでの作品を、というご依頼にとても興味深く作曲を始めた作品がこの“Antelope Envelope”です。基本的に私は生物の名前を曲名に充てる事が多いのですが、今回はシステム的な部分をタイトルにしたいと考え、2頭の羊(アンテロープ)が同時もしくはほぼ同時もしくは互い違いに鳴く事でシンセサイザーのエンヴェロープジェネレーター的に音を作り上げる事を考えました。ある時はアタックに揺りを含めつつリリースが長い鳴き声、またある時はムラ息での激しめのアタックにコロコロを交えたサステインのある鳴き声、など多数の鳴き声をバリエーションとして2人で鳴らしていく曲です。
第一部行ってきました
古典曲と現代曲を対比させての演奏
演奏はすべて尺八🪈のみ
3ブロック目だけは二人での共演ですが
他はすべて尺八独奏
すごいダイナミクス
しずかーな唇の震えや
息遣いが微かに聞こえぐらいから
まるでサックスの如く轟く爆音
古典の持っている
日本人特有の刹那音階
そしてかたや
前衛絵画の如く今を表現する作家達の
先進的な作品
またそれを見事に表現する
田嶋直士さん、田嶋謙一さん
若さとパワーの田嶋謙一さん
艶やかな色気も感じさせる美しい透明感ある音色
59'レスポールヒストリッ、ハムバッキングPU
新鮮な寒ぶりの刺身って感じかな
かたや
ベテラン田嶋直士さん
枯山水の如く味わいのある音色
68'レスポールリイシュー、シングルコイルPU
鱈の乾物ですね 噛めば噛むほど・・・・
二人の織りなす
日本の伝統と現在
素晴らしいですね
また二人の袴姿がまたカッコいいんですよね
川崎真由子さんの
♪あかく、鳴きあう鳥たち
まるでエリック・ドルフィンー
幾何学的リフレインが微妙に変化
本物の鳥🕊️の声?
木下正道さんの
♪炎は炎に身を委ねる II
時折西洋風クラシカルなフレーズが
色彩を豊かにしている感じ
炎🔥のゆらめき
川上統さんは新作の初演
2頭の鹿🦌(雄雌)の戯れを
二人の演奏で再現
まるで格闘技の差し手争い
ボクシングのジャブの応酬
すごい迫力
古典の持つ力強さと
現代への融合、発展を感じる
素晴らしい演奏会でした
第一部プログラム
鶴の巣籠(古典曲)
演奏:田嶋謙一
あかく、鳴きあう鳥たち(川崎真由子 作)
演奏:田嶋直士
山越(古典曲)
演奏:田嶋直士
炎は炎に身を委ねる II (木下正道 作)
演奏:田嶋謙一
鹿の遠音(古典曲)
演奏:田嶋直士、田嶋謙一
新作初演(川上統 作)
演奏:田嶋直士、田嶋謙一
出演・演奏(尺八) : 田嶋直士、田嶋謙一
2023年、2024年と開催してきた、尺八家の田嶋直士さん、田嶋謙一さんとの協同企画「尺八家・作曲家 コラボレーション 〜古典と現代の衝突と邂逅〜」、2025年はさらなる発展を目指し、大阪と東京でそれぞれ昼夜二公演を開催いたします。そして新たに近年活躍めざましい三人の作曲家、若林千春、川上統、我妻英の各氏に新曲を、古典本曲と対峙する現在の音楽として、依頼しました。これまでの演奏会で初演された旧作も取り上げます。出自や現在の嗜好がそれぞれ異なる六人の作曲家の作品が、古典の世界とどう「衝突し邂逅する」のか、ぜひ今生まれる現場の音たちの力を、存分に浴びて、感じていただければと思います。
◎チラシとは曲目が変更されています。
演奏家・作曲家プロフィール
田嶋直士(たじま ただし)
日本を代表する国際的尺八演奏家。直流を創設し宗家となる。東京・大阪に教授所。年2回東京・大阪での本格的リサイタル(通算76回)の他、各地でリサイタル・コンサート活動。400 ヵ所を超す尺八本曲全国行脚演奏。海外 25 カ国で公演。ザルツブルグ国際音楽祭の他、世界の音楽祭より数々招待を受ける。1990年、2007年、2018年文化庁芸術祭賞受賞。
パンムジークフェスティバル邦楽演奏コンクール1位・大賞・ドイツ大使賞受賞。レミー・マルタン賞・音楽之友社賞(日本音楽集団の一員として)受賞。バッハ国際音楽祭にて細川俊夫作曲“Voyage X”(尺八協奏曲)初演、絶賛される。大阪府民劇場奨励賞受賞。「尺八入門教則本」及び「一音に心をこめて」出版。国内外で多数のLP・CD 出版、数々のジャンルの演奏家と共演、一般に抱かれている先入観を大きくくつがえし、尺八の持つ表現力の大きさ、対応の多様性を示し、いずれの場合においても成功させ高い評価を得ている。
田嶋謙一(たじま けんいち)
12歳より尺八を始め、父である田嶋直士に師事。2006年、東京藝術大学邦楽科尺八専攻卒業。2009年~2012年、東京藝術大学邦楽科助手。2014年、自身初のリサイタルで第69回文化庁芸術祭新人賞受賞。日本各地及び海外で古典を中心とした数々の演奏を行う。その他にクラシック、ジャズ、ポップス等様々なジャンルの音楽とコラボレート、東京藝術大学や立正大学などの教育機関や各種イベントでの尺八に関する特別講義、コンサート企画・プロデュース、音楽劇の脚本・演出・音楽監督など、多方面にわたり活動している。「ゆる人」総監。「田嶋謙一記念歌劇団」団長。「日本尺八演奏家ネットワーク(JSPN)」理事。「和楽器
オーケストラあいおい」会員。「The Shakuhachi5」メンバー。「日本三曲協会」「鎌倉三曲協会」「逗子三曲協会」会員。
川崎真由子(かわさきまゆこ)
横浜生まれ。国立音楽大学、同大学院修士課程作曲専攻修了。第 18回奏楽堂日本歌曲コンクール作曲部門、第30回現音作曲新人賞など受賞。Music From Japan 2024音楽祭(US)招聘作曲家。近年の作品は詩人との共同制作や動物をテーマとしたものが多く、また和声や対位法などの音楽理論書製作にも携わる。相愛大学専任講師及び、洗足学園音楽大学、同大学院非常勤講師。
https://mayukokawasaki.jimdofree.com/
木下正道(きのした まさみち)
1969 年福井県大野市生まれ。吹奏楽とハードロックの経験の後、東京学芸大学で音楽を学ぶ。フリージャズや集団即興、お笑いバンド活動なども行った。武満徹作曲賞、文化庁舞台芸術創作奨励賞、日本現代音楽協会新人賞、などに入選。現在は、様々な団体や個人からの委嘱や共同企画による作曲、優れた演奏家の協力のもとでの先鋭的な演奏会の企画、通常とは異なる方法で使用する電気機器による即興演奏、の三つの柱で活動を展開する。作曲においては、厳密に管理された時間構造の中で、圧迫されるような沈黙の中に奏者の微細な身体性が滲み出すような空間を作ることを目指す。演奏会企画においては、演奏家との周密な打ち合せのもと、先鋭かつ豊かな音楽の様相を感じ取れるような音楽会を開催する。また電気機器即興は、池田拓実や多井智紀と「電力音楽」を名乗り、その他様々な演者とも交流し、瞬間の音響の移ろいを聴き出すことに集中する。ここ数年は主に室内楽曲を中心として年間
20曲程度を作曲、初演。童話制作も手がけ、自ら朗読、上演する。またFtartiレーベルを中心に多くの作品、演奏がリリースされている。
川上統(かわかみ おさむ)
1979年生まれ。東京音楽大学作曲専攻及び同大学院修了。作曲を湯浅譲二、池辺晋一郎、細川俊夫、久田典子、山本裕之の各氏に師事。2003年、第20回現音新人作曲賞受質。2009、2012、2015年に武生国際音楽祭招待作曲家として参加。2018年秋吉台の夏現代音楽セミナーにて作曲講師を務める。作曲作品は200曲以上にのぼる。現在、エリザベト音楽大学准教授、国立音楽大学非常勤講師。
<第1部>
鶴の巣籠
尺八曲を代表する名曲。鶴の鳴き声、羽ばたく姿、大空を舞う情景など「コロコロ」「玉音」などの多彩な技法を用い描写している。命を犠牲にしてでも子供を守ろうとする親鶴の強い情愛を表し、超絶技巧の難曲と言われている。
川崎 真由子:あかく、鳴き合うたち(2023)
あまりに完成された、そして古典でありながら新しささえ感じる本曲「鶴の巣籠」に対峙する新曲を書くにはどうすればよいか。素晴らしい曲ですが、ただ一点、この曲が表現する物語の、親鳥が"自身を犠牲にして雛を育てるというのが、鳥好きの作曲者には辛すぎる。全鳥に幸せであってほしい。そこで、物語性を一切排除した作品を作ることにしました。鶴の巣の「ツル」はおそらくタンチョウのことですが、世界には他にも様々な種類のツルが生息しています。オオル、カナダル、カンムリヅル、ホオカザリジル等。それらの鳴き声を調べ聴いて採譜し、その素材を反復・挿入・断絶することで曲は構成されます。反復・挿入・断絶は、近年、私が現代詩から影響を受けて作曲に取り入れている手法です。タイトルの「あかく」は、種々のツルに共通する身体の一部の赤色や、ツル特有の「鳴き合い」(生解消されることのないつがいが、交互に鳴くことで絆を深める行為)の情熱のイメージ。
山越
大きな困難、場合によって不可能と思える困難に直面した際に、自力により乗り越えようとの願いを込め「壮烈に」吹奏する。
木下正道:炎は炎に身を委ねる II 尺八独奏のための
タイトルは、エジプト生まれでフランス語で書くユダヤ系詩人のエドモン・ジャベスの詩旬によります。割と短めの独奏曲のシリーズとして、まず「I」はフルートのために書きました。今回の尺八独奏のための「II」は、企画の趣旨として尺八本曲「山越」から触発されたものを書くため、まずは「山越」を採譜し、それからヨーロッパ音楽的な意味での分析と要素の抽出を行って再構成しようとしましたが、それはやや無理な相談でした。そのような原理では、日本の伝統的な音楽は作られていないのです。そこで、採譜した上から、いわば「対旋律」をつくるようなつもりで、本曲の「裏側の声」を自分なりに聴き取ることに専心しました。どことなく「山越」を彷彿とさせる音型はあるものの、基本的には静かに曲は進んで行きます。しかし少しずつ激情が芽生え始め、大きなうねりを描いた後、時間と空間は沈黙に、無の帷の奥へ向かって消尽して行きます。
鹿の遠音
尺八曲を代表する曲の一つ。晩秋の候、深山で鳴き交わす雌雄の鹿の様を二の尺八で描写している。独奏形態の本曲の中で連は例外的存在である。
川上統:Antelope Envelope -包絡線ー(2025・新作初演)
鹿の遠音からのインスピレーションでの作品を、というご依頼にとても興味深く作曲を始めた作品がこの“Antelope Envelope”です。基本的に私は生物の名前を曲名に充てる事が多いのですが、今回はシステム的な部分をタイトルにしたいと考え、2頭の羊(アンテロープ)が同時もしくはほぼ同時もしくは互い違いに鳴く事でシンセサイザーのエンヴェロープジェネレーター的に音を作り上げる事を考えました。ある時はアタックに揺りを含めつつリリースが長い鳴き声、またある時はムラ息での激しめのアタックにコロコロを交えたサステインのある鳴き声、など多数の鳴き声をバリエーションとして2人で鳴らしていく曲です。
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